骨粗鬆症

骨粗鬆症について

骨粗鬆症

骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量は、20~30歳頃の若年期をピークとして、その後は年を重ねるとともに減少していきます。これにより、骨の量が大幅に減少して骨がスカスカに脆くなってしまう病気のことを骨粗鬆症と呼んでいます。高齢者の場合、骨折リスクが高くなるので、寝たきりや要介護の原因ともなります。骨密度が減少すると、ちょっとした圧力で背骨がつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、転倒しやすくなりますので、十分に注意してください。

主な検査

骨粗鬆症の診断は、骨密度の測定やX線検査、身長測定だけでなく、必要に応じて血液検査や尿検査なども行われます。このうち骨密度の測定にあたっては、主にDEXA骨密度測定装置を使用します。高低2種類のエックス線を測定部位に照射することにより、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を調べることが出来ます。測定する骨は、主に腰の骨、太ももの付け根部分の骨です。短い時間で済むうえ誤差が小さく、放射線の被爆量も少ないため、安全性に優れるというメリットがあります。そのため、骨量測定における標準的な検査法として重視され、骨粗鬆症の精密検査や治療の経過観察において非常に有用です。

X線検査は、主に胸椎や腰椎のX線写真を撮影し、骨折や変形が無いか、骨に、鬆が入ったようにスカスカになっていないかを確認します。骨粗鬆症と他の疾患とを判別するためにも必要となる検査です。この他、25歳の頃の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べたり、血液検査などで骨代謝マーカーを調べることにより、診断につなげていきます。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療にあたっては、食事療法や運動療法も重要となります。食事から摂取すべき栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、および骨のリモデリングに必要なビタミンDやビタミンKなどです。これらの栄養素を積極的に摂りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。

また、骨は、運動をして負荷をかけることで増え、より丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療に欠かせません。骨量を増やすには、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの中程度の強度の運動が効果的で、激しい運動をする必要はありません。散歩などを、可能なら毎日、あるいは週に数回でも有効ですので、とにかく長く続けてください。運動量を少しでも増やそうとする心がけが大切です。

このように、食事療法や運動療法も大切なのですが、病状が進んだケースでは薬物療法が必要となります。骨の吸収を抑える骨吸収抑制剤、骨の形成を助ける骨形成促進剤、骨の栄養素である各種ビタミン剤などがあります。どんな薬を選択するのかについては、個々の患者さんの年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら、医師が判断します。