症状から探す:いびき、日中の眠気①〜睡眠時無呼吸症候群〜

当ブログでは、患者さんのお困りの症状から、どのような病気が考えられるかについての情報発信を行っております。 今回はいびき、日中の眠気についてお話しいたします。

いびきの原因

いびきとは、空気の通り道であるのど(咽頭)が狭くなって、狭くなったのどに空気が通ることで出る音のことです。睡眠中、のどをささえる筋肉が緩みます(軟口蓋沈下、舌根沈下)が、その緩む程度が強いといびきも激しくなります。もっと強くなると、狭くなった通り道はへしゃげて閉塞してしまい、無呼吸になることがあります。これを睡眠時無呼吸症候群と言います。

その原因は様々です。肥満飲酒睡眠薬によって咽頭が緩みやすく、いびきが出現しやすくなります。特に日本人は顎が小さいため、欧米人よりもいびきをかきやすい傾向にあります。

本人は眠っているので気がつきませんが、いびきがひどいと、一見熟睡しているようでも睡眠が不安定なため睡眠不足に陥っています。いびきだけでは病気として認められていませんが、程度がひどい場合は睡眠中に何度も息が止まる睡眠時無呼吸症候群である場合があり、この疾患は放置していると怖い病気に直接つながってしまうと言われています。

また、肥満や薬剤だけではなく、小児の場合は扁桃腫大(アデノイド)や口蓋垂が大きいために物理的に空気の通り道が狭い場合があります。

いびきは放置しても大丈夫?

飲酒した時、あるいは風邪を引いた時だけいびきをかく場合は心配ありません。

しかし、普段からいびきが強く、またご家族から息が止まっていることを指摘されている場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

中等症以上の睡眠時無呼吸症候群では日中の過度の眠気のため事故の危険があり、また意外かもしれませんが実は、高血圧・糖尿病、ひいては心筋梗塞など命に関わるような病気の原因や、悪化の原因にもなることがわかっていますので、早めの診断と治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群について、詳しくは次のブログ記事におまとめ致しますのでご覧ください。

いびきの対処法

いびきが軽い場合は、横向きで眠るといびきをかきにくくなります。また抱き枕を使用したり、枕の高さを変更するだけで改善することもあります。いびき防止用のマウスピースを装着するといびきが減ることもあります(歯科での作成が必要になります)。

  特に小児の方で咽頭扁桃(アデノイド)が腫れている場合は、のどを狭くしている部分を手術で切り取ることで治します。鼻の通りが悪い場合は副鼻腔炎や鼻炎の治療をすると改善することがあります。

  肥満が原因の場合は、ダイエットに取り組みましょう。飲酒と肥満は密接に関係していますので、アルコールを控えながらダイエットするとよいでしょう。最も問題となる睡眠時無呼吸症候群も、肥満が原因となることが多いです。

軽いいびきの場合は今記載したような対処でいいかもしれません。しかし、睡眠時無呼吸症候群になっている場合は、CPAPといわれる機械をつける治療を行う必要があります。

まとめ

毎日のいびき、日中の眠気は睡眠時無呼吸症候群という病気のサインの可能性があります。

しっかり専門的な検査をすることが勧められます。

当院では簡易ポリソムノグラフィー検査をすることができます。その結果次第では精密ポリソムノグラフィー検査をおすすめする場合もありますが、その場合も近隣医療機関との連携でスムーズな検査案内が可能です。

いびきや日中の眠気でお困りの患者さんは一度当院でご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群についての詳しい説明は、次の記事でご紹介いたします。

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