インフルエンザについて~症状・診断~
当ブログでは病気に関する情報発信を行っています。今回はインフルエンザの症状、診断についてお話します。
2022年の流行について
以前のブログでもお話しましたが、今年春にオーストラリアでインフルエンザの流行があったため、今年は日本でも流行する可能性が高いと言われていました。実際、2022年11月時点で、当院でもインフルエンザと診断した方が何人かいらっしゃいます。大阪では学級閉鎖の学校もあり、冬に向けて流行してきそうな兆候があります。
インフルエンザの症状について
インフルエンザウイルスはA型・B型・C型の3種に大きく分けられ、そのうちA型が冬に、B型がA型の後の春頃に流行することが多いです。A型は咳や鼻水などの上気道症状+発熱の症状が多いのに対し、B型は下痢・腹痛などの消化器症状+発熱がみられることが多いです。
風邪もインフルエンザもウイルス感染で、体の免疫で治っていくのを待つのが原則の治療ですが、風邪を起こすライノウイルスやアデノウイルスと異なり、インフルエンザウイルスの場合、発症から急激に症状が悪化し高熱が出たり、悪寒や筋肉痛などの全身症状が出やすい傾向にあります。
合併症について
子どもや高齢者、妊婦、また免疫力が弱っている人が感染すると、肺炎や、インフルエンザ脳症、ARDS(急な息切れや呼吸困難などが出現する病態)、急性心膜炎、心筋炎などの合併症が起こることがあります。
合併症が原因で亡くなる方、脳症の後遺症で麻痺が残ってしまう子供も残念ながらいます。
感染経路について
感染経路としては、感染者の咳やくしゃみで周りに飛び散った飛沫を吸い込む飛沫感染のほか、手や物に付着したウイルスで感染する接触感染があります。
ウイルスに暴露し感染してから発症するまでの潜伏期間は1~4日、平均2日とされています。
診断について
綿棒で鼻の奥から粘液を採取し、迅速検査キットで検査を行います。おおよそ15分で結果が出ます。ただし、迅速検査キットはウイルス量が多くないと反応しないので、発熱から12~24時間が経過していないと偽陰性になることもあります。インフルエンザのご家族と同居していてインフルエンザ様の症状がある場合は検査をせずに診断することもあります。
まとめ
今回はインフルエンザについてお話しました。残念ながら2022年はすでに流行の兆しがあります。飛沫感染・接触感染が原因ですので、マスク・手指衛生が予防に効果的です。
また、多くの人は数日で症状が消失しますが、小児・妊婦・高齢者・持病のある方は脳症や肺炎などの合併症で死亡・後遺症が残ることがある疾患です。
発症予防・合併症の予防にはインフルエンザワクチンの効果が期待できますので、流行前にワクチン接種をご検討ください。ご予約はwebもしくはお電話でお受けしています。