健康診断で引っかかってしまった方へ

当ブログでは、患者さんのお困りの症状から、どのような病気が考えられるかについての情報発信を行っております。

今回は健康診断で指摘される異常についてお話しいたします。

健康診断で見ている項目

  • レントゲン
  • 血液検査、血圧、腹囲

基本的にはレントゲンで肺の異常がないか、そして血液検査で生活習慣病の有無をチェックしているのが健康診断です。

レントゲン異常

レントゲンでは細かい肺の異常(例えば初期の肺癌など)は見つかりません。ある程度大きな病変が引っかかります。とはいえ、レントゲンで引っかかった方全員がなんらかの病気というわけではありません。肺の中の古傷や、皮膚のたるみが「レントゲン異常」として引っかかってしまうことが実はとても多いのです。

とは言え、レントゲンだけではその判別は難しく、基本的には引っかかってしまった場合はCT検査をする必要があります。CTの影を見ることで、すぐに精密検査が必要なのか、定期的にCTで経過を見る方がいいのかどうかを専門的に判断します。皮膚のたるみ等で引っかかっている場合は、もうそれ以上の通院は不要となる方もおられます。

当院では2022年8月末頃にCTを導入いたします。レントゲンで引っかかった方はもちろん、肺癌が怖い方には肺ドックもできますので、今しばらくお待ちいただきますよう、お願いいたします。

血液検査、血圧、腹囲(生活習慣病)

採血では色々なことがわかりますが、健康診断で見ている項目は基本的には生活習慣病に関する項目です。血圧や腹囲も生活習慣病に関連しています。

生活習慣病には様々な病気が含まれますが、健康診断では「高血圧」「脂質異常症=コレステロール、中性脂肪」「糖尿病=血糖値、HbA1c」「尿酸(痛風)=UA」に関してのチェックを行なっていることが多いです。これらはいずれも、その時点で何か困るような症状は出ないものの、放置しておくことで死亡や大きな後遺症を残してしまう怖い病気(心筋梗塞や脳卒中など)に直接つながるものです。

(上であげた「高血圧」等の病気についてはまたこのブログで詳しく紹介いたします。)

また、肝臓(AST/ALT、GOT/GPT)や腎臓(Cre、尿検査)に関連する項目を見ている健診もあります。これらも放置すると、大事になる場合があります。脂肪肝やアルコール性肝炎などの肝臓の異常を放置すると肝硬変になり、果ては肝癌になることもあります。腎臓の異常を放置すると、透析になってしまうこともあります。

まとめ

健康診断で引っかかった場合、放置しておくと命に関わる病気(高血圧、脂質異常症、糖尿病、肺癌、肝癌など)に直接つながることが少なくありません。

受診のススメ

健康診断の結果は、どの会社・自治体でもペラ紙一枚が返ってくるだけです。そこで引っかかっていても「まぁ大丈夫だろう」と思ってしまう方や、場合によってはちゃんと結果を確認しない方も大勢おられます。

しかし、上で記載したように、健康診断で引っかかった場合、放置してしまうと大変なことになるものばかりです。

「レントゲンで引っかかって、肺癌が見つかり、一命をとりとめた方」

もいる一方、

「コレステロールや血糖値が高いのをずっと放置した結果、脳卒中になり、半身麻痺になってしまう方」

もたくさん見てきました。

ちょっとした相談でも大丈夫です。健康診断に引っかかった方は是非一度当院でご相談ください。