肺癌について~ステージ(病期分類)・転移~

当ブログでは、病気についての情報発信を行っています。今回は肺癌のステージ(病期分類)についてお話します。

癌について

そもそも癌とは何か、もう一度お話します。

体の中では新しい皮膚、血液、筋肉などを毎日作っています。細胞を沢山作って体を形成していきますが、この細胞作る段階でミスコピーがよく生じます。間違って作られた細胞は通常体のごみとして処理されますが、このごみ処理が行われずにミスコピーされた細胞が勝手に増え、本来の体を蝕んで大きくなっていくのが癌です。

自分の体からできた物ですが、体の言うことを聞いてくれない厄介者です

発生した場所だけでなく、癌細胞が血流やリンパの流れに乗って骨や脳へ到達しそこで大きくなると、癌の転移、と言います。

肺癌が脳に転移したときは転移性脳腫瘍と言い、脳で新しく癌が発生したわけではありません。

加齢、喫煙、紫外線・放射線、発がん性物質はミスコピーが生じやすくなるため、癌発症のリスクとなります。

肺癌のステージ(病期分類)

肺から発生した癌の大きさ、リンパや血流にのってどこまで癌が広がっているか(リンパ節転移や遠隔転移の有無)、によって癌のステージが決まります。ステージは0期からⅣ期まであり、Ⅳ期が一番進行したステージです。肺癌のステージによって一番良い治療法が変わります。

Ⅰ~Ⅱ期では癌は小さく、症状が出て発覚することは極めて稀で、健診や他の理由でCTを撮像したときに偶然発覚し治療に至ることが多いです。

Ⅲ期~Ⅳ期になって、咳、血痰や転移による腰の痛み、体重減少などが出現します。

ステージを判断する方法

肺癌の治療はステージによって異なりますので、どのステージにあるかを判断することが大切になります。

リンパ節転移や骨の転移、脳転移の有無を調べるには、PET-CT、頭部造影MRI、骨シンチ、造影CT検査などを組み合わせて検査を行います。

ステージ別の生存率

乳癌や大腸癌と比べて、肺癌は進行が早く5年生存率が低い癌ということが分かります。ステージⅠ期とⅣ期でも生存率に大きな開きがあります。

Ⅳ期の治療も良い治療が開発されていますが、早期発見・早期治療が望ましい状況は変わりありません。

まとめ

今回は肺癌のステージについてお話しました。癌細胞が血流やリンパの流れに乗って他の場所に移ることを転移といいます。肺癌は初期の場合症状が出にくく、転移したころに症状が出現してくることが多いです。Ⅰ期とⅣ期で生存率は大きく差があり、早期発見・早期治療が生命予後に大きく影響する疾患と言えます。気になる症状のある方、症状は無くても肺癌検診にご興味のある方は一度ご相談ください。