肺癌の症状について

当ブログでは、病気についての情報発信を行っています。今回は肺癌の症状についてお話します。

癌について

そもそも癌とは何か、からお話します。

体の中では新しい皮膚、血液、筋肉などを毎日作っています。細胞を沢山作って体を形成していきますが、この細胞作る段階でミスコピーがよく生じます。間違って作られた細胞は通常体のごみとして処理されますが、このごみ処理が行われずにミスコピーされた細胞が勝手に増え、本来の体を蝕んで大きくなっていくのが癌です。

自分の体からできた物ですが、体の言うことを聞いてくれない厄介者です。

発生した場所だけでなく、血流やリンパの流れに乗って、癌細胞が骨や脳へ到達しそこで大きくなると、癌の転移、と言います。

加齢、喫煙、紫外線・放射線、発がん性物質はミスコピーが生じやすくなるため、癌発症のリスクとなります。

肺癌の症状について

はじめは肺の中で癌細胞が生まれ、徐々に大きくなっていきます。

肺の中には痛覚神経がなく、肺の中で大きくなっても何も症状が出てきません。

かなり大きくなると痰に血が混じったり、胸に水が溜まり息苦しさが出ることがあります。

また、血流やリンパの流れに乗って癌細胞が肺以外の場所で大きくなると、骨転移による症状で腰痛が生じたり、脳転移によって麻痺や痙攣が出たりします。

肺癌の診断に至るまで

大きく分けて2パターンです。

①症状が出てから受診

息苦しい、痰に血が混じる、といった呼吸器の症状で発覚することもあれば、腰痛、手足の麻痺など、肺以外の症状から発覚することもしばしばあります。症状が出たときには癌は進行しており、癌のステージはⅣ期(進行肺癌)のことが多いです。

健診で発覚

癌検診を受けて見つかった、肺以外の理由でレントゲンを撮像したときに偶然肺癌が見つかった、という場合です。症状がなく見つかるので、びっくりされます。症状が出ない段階で見つかった場合、手術での根治の可能性が高くなります。

前回のブログでも触れましたが、大切なことなので重複してお話します。

早期発見・早期治療のためには癌検診が重要です!

肺癌検診ではレントゲンや喀痰細胞診で肺癌の有無を検索しますが、これらの検査ですべての肺癌が見つかるわけではありません。

胸部レントゲンでは、2~3㎝以上の大きさの肺癌でなければ指摘が困難です。また、心臓の後ろや骨の近くに肺癌がある場合は、レントゲンでの指摘が困難となります。

もっと発見精度の高い検査としてCT検査があります。レントゲンよりも細かく肺の中を調べることができ、早期肺癌の指摘が容易となります。

肺癌の確定診断には、病理検査(入院での気管支鏡検査・手術での生検)が必要になりますので、疑わしい病変がある場合は提携の病院へご紹介させていただきます。

2022年8月に当院にCT装置を導入し、肺癌の検索をはじめ、腹痛の原因検索や頭蓋内出血などの検査が行えるようになりました。

咳が出る・痰に血が混じる、というような症状で肺癌が心配な患者様や、症状はなくても肺癌検索のために癌検診を受けたいという患者様はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

今回は肺癌の症状についてお話しました。

咳や血痰、息苦しさは肺癌以外でも見られる症状ですので過度に心配することはありませんが、肺癌が気になる方はお気軽にご相談ください。また、症状がなくても体調管理のための癌検診を希望される方もご相談ください。