肺癌の早期発見・早期治療のすすめ

当ブログでは、病気についての情報発信を行っています。今回は肺癌の診断についてお話しいたします。後日、肺癌の症状や治療についてもお話しいたします。

肺癌について

日本人の死因の第1位は悪性腫瘍ですが、その中でも一番多いのが肺癌です。女性よりも男性に多く、喫煙がリスクとされています。喫煙歴の無い女性も、残念ながら肺癌を発症することがあります。

肺癌は発見されたときのステージによって、治るか治らないかが大きく左右されます

肺癌のステージはⅠ~Ⅳ期までありますが、Ⅰ期では5年生存率が76.9%であるのに対し、進行したⅣ期では6.0%と大変予後の悪い疾患です。

ですので、早期発見が大切です。

肺癌の診断の流れ

早期肺癌の場合は症状が無いことが殆どです。

肺の中には痛覚神経がなく、肺の中で大きくなっても何も症状が出てきません。

大きくなって胸に水が溜まり息苦しさが出たり、痰に血が混じったり、骨に転移して痛みが出て受診され、肺癌の診断に至ることはよくありますが、見つかったときには残念ながら早期ステージではなく、進行期にあります

そのため、早期発見・早期治療のためには癌検診が重要です。

肺癌検診ではレントゲンや喀痰細胞診で肺癌の有無を検索します。

ただし、これらの検査ですべての肺癌が見つかるわけではありません。

胸部レントゲンでは、2~3㎝以上の大きさの肺癌でなければ指摘が困難です。また、心臓の後ろや骨の近くに肺癌がある場合は、レントゲンでの指摘が困難となります。

もっと発見精度の高い検査としてCT検査があります。レントゲンよりも細かく肺の中を調べることができ、早期肺癌の指摘が容易となります

肺癌の確定診断には、病理検査(入院での気管支鏡検査・手術での生検)が必要になりますので、疑わしい病変がある場合は提携の病院へご紹介させていただきます。

2022年8月に当院にCT装置を導入し、肺癌の検索をはじめ、腹痛の原因検索や頭蓋内出血などの検査が行えるようになりました。

咳が出る・痰に血が混じる、というような症状で肺癌が心配な患者様や、症状はなくても肺癌検索のために癌検診を受けたいという患者様はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

今回は肺癌発見の流れ、診断についてお話しました。

これまで多くの肺癌患者様の診療を行い、治って日常生活に戻られる方から、最期をお看取りした方までいらっしゃいました。現在、進行肺癌の治療も進歩していますが、根治はまだ難しい状況にあります。症状が無いうちから体をチェックしておくことで、まだ気づいていない病気の芽を見つけることができます。症状が現れてくるほど進行してしまう前に治療することで守れる命があります。肺癌は早期発見・早期治療が大切な病気です。気になる方は一度肺癌検診・胸部CT検査をご検討ください。